産後コラム

産後頻尿を1人で悩まないで

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著者:院長須崎章博

 

わかば整体院院長の須崎です。

 

ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

本日は『産後頻尿を1人で悩まないで』について書いていきたいと思います(^O^)

 

産後ママを悩ます「尿問題」

 

「出産」という大変な時間を乗り越えて、やっと触れることができたかわいい我が子。

 

赤ちゃんに会えた喜びと出産を終えた疲れや興奮で、お母さんになったばかりの女性には様々な感情が押し寄せるでしょう。

 

心の変化だけではありません。

 

妊娠・出産は女性の体に負担となって、多くの女性が気にされる「太った」「体型が変わってしまった」というだけでなく、筋肉や骨、体質などにも変化が出てきます。

 

出産間もない女性はこうした体の変化から様々なトラブルに悩まされることがあります。

 

頻尿や尿漏れといった「尿問題」も産後の女性に起きやすいトラブルの1つです。

 

□トイレに行ったばかりなのに、すぐに尿意を感じてしまう

 

□トイレに行ってもスッキリせず、残っている感じがする

 

□妊娠前は尿意を感じてからしばらくの間は我慢できたのに、出産後は我慢できない

 

□くしゃみや大笑いをした拍子に尿モレしてしまうことがよくある

 

□重いマザーズバックを持ち上げた拍子に尿がもれてしまった

 

出産後このような経験はありませんか?

 

こうしたトラブルを誰にも相談できずに1人で悩んでいらっしゃる女性が少なくありませんが、出産後の尿に関するトラブルは、妊娠・出産に伴って誰にでも起きる生理現象の1つなので、恥ずかしい症状ではありません。

 

出産後の頻尿、尿モレの原因

 

妊娠中、お腹の赤ちゃんが大きくなるのと同時に少しずつ大きくなる子宮がすぐ下に位置する膀胱を圧迫します。

 

上から押しつぶされることによって膀胱にためられる尿の量が少なくなってしまいます。

加えて、妊娠することで体の血液の量が増えるため腎臓の機能が高まり、より尿が排出されやすくなります。

 

妊娠中に起きやすい頻尿は出産後、子宮が元の大きさ、位置に戻り、膀胱の圧迫がなくなれば次第に解消されます。

 

その一方、産後の頻尿・尿もれは出産によってお母さんが負った体のダメージが引き金となっています。

 

原因1 骨盤底筋のゆるみ・筋力の衰え

 

骨盤の1番下の部分から子宮・膀胱・直腸などを支えている筋肉をまとめて「骨盤底筋」と呼んでいます。

 

普段、尿が出てしまわないようにないように尿道などを引き締めているのはこの「骨盤底筋」の重要な働きによるものです。

 

妊娠した女性の体は出産に備えて、少しずつ様々な変化を起こすのですが、この「骨盤底筋」に作用する女性ホルモン「リラキシン」の分泌もその1つです。

 

「リラキシン」は、出産時にお母さんのお腹から赤ちゃんが出てきやすいように、産道周辺の関節や靭帯(じんたい)を緩められます。

 

靭帯は骨と骨をつなぐコラーゲンでできた帯状や紐状の組織ですが、リラキシンの作用により体の臓器と骨盤底筋をつなぐ靭帯もゆるくなるので、尿道を引き締める力が弱まり産後の頻尿や尿モレが引き起こされるのです。

 

「リラキシン」の影響は産後半年ほどでなくなると言われますが、妊娠中だからと体に適した運動まで控えてしまったり、大きくなるお腹を抱えて必要以上に体を動かさなかったりしていると、骨盤底筋の筋力そのものが弱くなってしまい産後の頻尿・尿モレを避けることができなかったというケースもあります。

 

原因2 出産による骨盤底筋のダメージ

 

出産間近になる、赤ちゃんや羊水などで子宮の重さは5kgを超えてきます。

 

リラキシンの影響で緩みやすくなっている骨盤底筋が、こうした重みを支え続けることで筋肉の繊維はさらにのびやすくなり、出産直前にはお腹に力を入れた時に尿モレが起きやすくなります。

 

出産直後は妊娠中に受けた骨盤底筋のダメージも回復しておらず、分娩によってさらに骨盤底筋が伸びてしまうために尿道を引き締める力がさらに弱くなり、頻尿や尿モレが引き起こされます。

 

特に3500g以上の大きな赤ちゃんの出産、長時間にわたる難産、経産婦さんの場合などは骨盤底筋や靭帯が負う損傷が大きくなると言われています。

 

産後頻尿からの回復

 

ビールやコーヒーなどの利尿作用が高い飲み物をたくさん飲んだ時に、時間を空けずに何度もトイレに行きたくなるという経験は誰にでもあるでしょう。

 

「頻尿」と呼ばれる状態も同じようにトイレに行った後すぐにまた尿意を感じてしまう状態ですが、ビールを飲んだ時はトイレに行くたびに通常と同じ排尿量がありますが、頻尿では排尿量が少なくなることが特徴的です。

 

頻尿の状態では膀胱に正常時と同じ尿の量をためておくことができません。

 

①トイレの回数が1日に8回以上 ②睡眠中にトイレに行きたくなって何度も目が覚める

こうした状態が続く場合は「頻尿」であるとされます。

 

上記のような頻尿を感じていて、トイレに行ってもスッキリとしない、排尿するたびに痛みがあるという場合は、膀胱炎や子宮脱など「頻尿」に病気が隠れている場合があるので、すぐに専門の医療機関を受診する必要があります。

 

産後の頻尿・尿モレは妊娠・出産の経過によって誰にでも起こることなので、それほど心配する必要はありません。

 

お母さんが体に負ったダメージと同じように筋肉や靭帯のダメージも次第に回復し、ほとんどの方はこうした症状も出産後3~4カ月で自然に治まってきます。

 

産後頻尿・尿モレのケア

 

◎「動きすぎないで!」

2人目、3人目のお子様をご出産されたお母さんから、お母さんの退院を今か今かと待っている上のお子さんのお世話で「退院後すぐに出産前の日常生活が戻ってきました」というお話を伺うことがあります。

 

立ったり座ったりという動作や荷物を持って動き回ることが続くと、出産で傷ついた骨盤底筋にさらなる負担がかかります。

 

お母さんが出産で体に受けるダメージは想像以上に大きいもので、しっかりと回復をいておかないと頻尿・尿モレをはじめ後々様々なトラブルや体調不良に原因となります。

 

ご家族の協力を得て、産後1か月はできるだけ横になるようにしましょう。

 

◎「水分を我慢しないで!」

 

トイレが近くなることから、水分を我慢してしまう方がいらっしゃいます。

 

赤ちゃんに必要な1日600mlから800mlの母乳を作るために、お母さんの体内からは毎日1リットルの水分が奪われていることをご存知でしょうか?

 

更に水分を我慢すれば、①水分が足りずに母乳が出にくくなる②尿が作られず排泄ができなくなる③血液中の水分不足から脳梗塞などの可能性が高まる④便秘がひどくなり腸内に溜まった便が膀胱を圧迫・刺激することで頻尿がより深刻になる⑤体の水分不足から肌が荒れる、などという恐れがあります。

 

お母さんのため、赤ちゃんのためにも十分な水分をこまめに摂ることはとても大切です。

 

◎「普段の生活の中で骨盤底筋を鍛えよう!」

 

お母さんが高齢になって筋肉が衰えてきた時に、筋肉や靭帯が傷を負った影響で尿モレがひどくなるリスクがあります。

 

今後の尿モレ予防のためにも産後1か月が過ぎた頃から、無理のない範囲で骨盤底筋を鍛えることが必要です。

 

「外を歩くときは、意識的にスピードを上げる」「通勤途中、食器を洗いながらなど、肛門を意識して5秒間力強くギュッとすぼめ、10秒間力を抜いてゆるめるという動きを10回繰り返す」など、生活の中に骨盤底筋を鍛える動きを取り入れることがおすすめです。

 

産後の頻尿や尿モレは、骨盤が下がることで過活動膀胱を引き起こし頻尿の症状が出ているケースなど、1人1人状態が違っています。

 

産後の頻尿について様々な症例をみてきた専門家に相談することで、早期改善が期待できます。

 

わかば整体院では産後のお悩みに特化した施術をしております。

 

詳細はこちらをご覧ください。

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